近年注目の”子どもの早期教育”の「効果」「メリット・デメリット」「ビジネス的側面」について、改めて考えてみる

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こんにちは!あやっち先生こと、森彩香です♪
「子育て・保育」のコーナーを担当させていただいてから、今回で3回目だけど、今日も楽しく子育てや保育について学んでいこうね!

あやっち先生、こんにちは!
今回もとっても楽しみだわぁ。

先生、こんにちはぁ!
今日もよろしくお願いしますですぅ!

この前は、「保育園や幼稚園の幼児教育とは何か?」ということについて、様々な生の現場を見てきた私なりの視点を踏まえつつ考察してみました。

今回は、前回の続きとして、この前考察した「早期教育」について、さらにもう少し掘り下げてみようかと思っています。
(前回の記事を読んでいない方は、「『乳幼児期の教育』って何!?幼少期の子どもにおける“遊び”の大切さ」を読んでから、本記事を読んでいただけると幸いです。)

 

早期教育って果たしてどれだけ効果があるの?「メリット」や「デメリット」は?

前回の先生の話を聞いて、最近では、読み書きや算数など、「学校で行う教育」を先取りして行なっている幼稚園が人気だったり、英語や音楽、スポーツなどの習い事に行ってる子どもたちも多いことも知ったわ。

この前のお話では、乳幼児教育というのは、「特定の技術を乳幼児期に身につけるもの」というよりも、「人格形成の基盤をつくるもの」である…ということでしたよねぇ。
お話を聞く限り、あやっち先生は、早期教育についてあまり肯定的に思っていないようでしたけどぉ…。

確かにそうだね…。
結論から言うと、私は”基本的には”乳幼児期の早期教育は、「プラスにもマイナスにもならない」と考えているんだ。

そうなんだ…!
なんだか、「早期教育の弊害」について強く訴えている情報もそれなりにあるみたいだけど…。
先生は、どちらかというと、これらよりも比較的「ニュートラルな考え」を持っているってことかしら?

言い換えれば「ケースバイケース」といえばいいのかな。

例えば、前白梅学園大学学長の無藤隆氏は、
「その場で子どもにさほど苦痛でない、だいたいは楽しいと思えることを、週あたりの時間としてさほど多くない程度に行う分には、おそらくプラスもマイナスも大して起こらないと期待してよいように思われます。親子関係が健全に機能しており、友だちと遊んだり、その他の幼稚園でやるようなことを行う機会がある限り、さほど問題にならないはずです。」(「よく分かる乳幼児心理学」内田伸子編、ミネルヴァ書房、2008、p.190)
と述べているんだよ。

つまり、子どもが楽しんでいて、親子関係が悪くなくて、早期教育の時間がそんなに多くない限りは、特に問題がない
けれど、過剰になってしまうと、時として悪影響がある…といった感じでしょうかぁ?

世の中には”色々な効果”をうたった早期教育の教材が販売されていたり、今では本当に色々な習い事があるけれど、実際にのところ効果が科学的に実証されていないものもあるし、研究の一部分の「都合がいいデータ」などを用いて早期教育の必要性を煽ったり、教材の有効性を宣伝しているものもあるように見えるね。
プラスでもマイナスでもないものを、さも「効果がある」かのように謳っていたりプラスだと思っていた教育が、総合的に見ると子どもにとって悪影響を与えている部分があることに気付かなかったり…。

つまりは、早期教育が良いか悪いかよりも、「早期教育は良いもの」という絶対的な価値観のせいで、そういった危険性に気付かない状況が発生してしまうのでは…?ということに、私は懸念を持っているんだ。

「子どもの早期教育」について、「ビジネス的側面」が先行するあまり、都合のいいデータや歪曲させた情報を元に宣伝が行なわれているケースも…

「早期教育は良いもの」という絶対的な価値観…かぁ。
そういった価値観が実際に、今の社会で結構蔓延しているものなのかしら?

たとえば、”K”(某大手学習塾)教育研究所・”K”教育研究会が関わっている早期教育の効果に関する調査があるんだけど、私は公式ページに書いてある宣伝と、この調査結果を読んでみて、自分で考えて判断してもらいたいなと思うんだ。

この調査には、”K”式早期教育の効果があると考えられる部分について考察されているけれど、それと同時に「早期教育の成果が国語では多くの子どもに高い水準で現れるのに対して,算数では子どもによって成果の現れ方にばらつきがあるということである。」とか「早期教育に関しては,囲碁・将棋・舞踏・音楽演奏など特殊な分野で効果が確かめられているが,それ以外には早期教育が英才児を作り出すという実証的資料は見当たらない。」とも書かれているんだよ。

なんだか、公式ページで主張していることと、調査結果で言ってることが少し矛盾しているような気がしますねぇ。

この調査では「0 歳から2 歳11 ヶ月まで”K”式による早期教育を受け,1999 年6 月現在で幼稚園年長組から小学校4 年生に在学している子ども」を対象にしているから、対象の子どもたちがもっと上の学年になると、効果のほどはより分からないともいえるんじゃないかな。

先で紹介した無藤氏は、「特に学校で教えるようなことについて、長期的に見て、そういった早期教育を受けていない群と比べて、本当に効果が持続するかといえば、それはほとんどが疑わしいのです。」(「よく分かる乳幼児心理学」内田伸子編、ミネルヴァ書房、2008、p.190)と述べていて、この見解はこのK式が関わっている調査結果の内容とも合致すると、私は思ったよ。

なるほど。
こうした情報を見ても、早期教育の効果については、実際のところ「あまり根拠がない」といえるのね。

早期教育の全てが効果がない訳でなく、効果があるものは、先ほどに挙げられていた囲碁や将棋などの「特殊な分野」ってことだね。
それから、音楽の分野においても、絶対音感の獲得時期は幼児期にあり、楽器の演奏も8歳ないし10歳以降だとプロ水準の熟達はやや困難と言われてるみたいだね。

「子どもの早期の体育指導」について、驚きの実証結果が…!

前回のお話では、幼稚園や保育園では体育指導も流行ってるって話がありましたけどぉ、スポーツの早期教育についてはどうなんでしょうかぁ?

東京学芸大学の杉原隆教授が行なった研究調査によると、なんと、乳幼児期の子どもに体育の指導をすればするほど、運動の点数が低くなってしまうという、驚きのデータがあるんだよ。

えええっ!?
子どもたちに小さい頃から体育の授業をやらせると、かえって運動能力が落ちてしまうのですかぁ!?

多くの人が「どうして!?」って思うかもしれないけど、実は、幼少時から決まった種目や規則的な身体の動きを繰り返すことで、かえって子どもの運動能力を低下させてしまう可能性があることが考えられていて、まだ子どもが小さなうちは、一定の決まった動きを繰り返させるよりも、子どもの好きなように自由自在に遊ばせることのほうが、子どもの運動能力を伸ばすことに繋がることが徐々に分かってきているんだよ。

な、なるほど…!
確かに、子どもを自由に遊ばせる方が、不規則的に様々な身体の部分を動かしたり、ストレスも感じずに楽しみながら運動することに繋がるし、その結果、より総合的な運動能力が上がっていくことにも繋がるってことなのね!

スポーツについては、「徐々に伸びていく才能」とも言われていて、特定の競技を練習するよりもまずは一般的な運動能力を伸ばした方がいいと無藤氏も指摘しているね。
それに、うかつに幼児期からトレーニングをすることで、特定の身体の部位を痛めてしまう危険性もあったりするんだよ。

確かにそうね。
早く出来ることが良いとは限らないし、「良かれ」と思ってやった教育がマイナスに働くことも往々にしてあるってことね…。

つまり、「子どもに決まったことをやらせる」というのは、かえって子どもの運動を限定させることに繋がったり、場合によっては、要らぬストレスを与えてしまったり、子どもの運動能力や可能性を制限させてしまったりする場合もあるってことかな。

こうしたケースはスポーツ以外の幼少期教育についても言えると思うので、よく覚えておいてもらいたいな。

「過度な幼少時教育」は、かえって子どもの無限の可能性や能力を制限させる危険性も…?

た、確かに、前回でも「子どもは遊びの中で学ぶ」ということについて、勉強しましたぁ!

幼稚園や保育園の先生という幼児教育のプロでも「文字を教えないのは時代遅れ」だと言う人がいるみたいだけどね。
私は、文字や数字、様々な知識の吸収についても、大人に指導されて子どもが「やらされている」学びは、子どもが自分の興味や関心に沿って自発的にする学び(遊び)に比べて限定的なんじゃないかと考えてるんだ。

実際、小学校の準備教育を行う幼稚園や私立の保育園よりも、子どもの主体的な遊びを中心にしている幼稚園や保育園のほうが語彙検査の成績が高く、言葉の発達もよかった…という調査結果もあるんだよ。

「跳び箱が飛べるようになります」「漢字が書けるようになります」と宣伝している幼稚園や保育園では、確かにこれらができるようになった子がいた半面、かえって運動嫌いになったり、勉強嫌いになる子が大勢いたみたいねっ。

私もそういう園に見学に行ったことがあるけど…トイレ休憩の時間以外は机に向かって、先生が言う通りにおとなしくしていたね。
子どもの絵も、先生の見本の真似をしてる子が9割だったし、日本舞踊の時間で、子どもが片手で扇の開閉ができないと「後で練習しようね」と言い放たれて、それが私にはどうも冷たくて、ちょっと怖く聞こえたんだよね。
その子が上手く扇の開閉が出来なかったのは、「その子の握力がまだ片手だけで扇の開閉ができるほどに十分に発達していない可能性もあるのでは」とも思ったんだけど…先生のお手本通りにできない子は辛いだろうなぁと思ったなぁ。

そういう幼稚園って、なんだか息苦しい感じですねぇ…。

まあ、こういう「教え込み教育」に否定的な保育士や幼稚園教諭は一定数いるし、そういう先生たちにも支持される「楽しんで学ぶ」という方法の早期教育もあったりするんだけどね。

…というわけで、今回はこの辺にしておこうと思うけど、今回伝えたかったことの要点は、「子どもの早期教育はケースバイケースであり、『囲碁や将棋、音楽』などの限られた分野においては一定の効果があることが分かってきている」ってこと、そして、「スポーツや勉強など、過度な”教育”はかえって子どものストレスを誘発させる危険があり、能力の低下に繋がる危険もある」っていうことを抑えておいてもらえたら嬉しいな。

あやっち先生、今日もたくさんためになる情報を教えてくれてどうもありがとう!

先生、またよろしくお願いしますですぅ~!

ウフフ、またね。
次回は、最近ちまたで流行っている「乳幼児期からの英語教育」について考えてみるのと、より多くの人に関心を持ってもらいたい「子どもに対するテレビやスマホ、ゲームなどの影響」について考えてみようと思っています。

参考図書:
「よく分かる乳幼児心理学」内田伸子編、ミネルヴァ書房、2008

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