東大生協が学食の改修に伴い、画家・宇佐美圭司氏の大作「きずな」を廃棄していたことが発覚!批判が殺到し謝罪!「取り返しのつかない結果を招いてしまった」

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どんなにゅーす?

・東京大学の食堂に40年に渡って掲げられていた、世界的な画家である故・宇佐美圭司氏の作品「きずな」を、東京大学消費生活協同組合が食堂の改修に伴って廃棄処分していたことが発覚。多くの批判が殺到する事態に発展している。

・東大生協は、老朽化していた食堂を2018年に3月に改修し、オープンしたものの、一部から「宇佐美氏の絵画はどこに行ったのか?」との問い合わせが相次いだことで判明。宇佐美氏から寄贈されていたことで、所有権は生協側が持っていたものの、作品を分割・搬出することが可能だった実情も把握せず、美術関係者とも十分な協議も行なわずに処分を行なう決定に至ったことを認めた上で、生協側が「取り返しのつかない結果を招いてしまった」と謝罪する状況になっている。

東大学食に40年あった宇佐美圭司の絵画、改装時に生協が廃棄 「取り返しつかない結果を招いた」と謝罪
内装の全面改修に伴い、新食堂で飾ることができないと判断して廃棄処分してしまった。

宇佐美圭司氏(1940-2012)は、1972年「第36回ヴェネツィア・ビエンナーレ」で日本代表に選出、1970年「日本万国博覧会」鉄鋼館で美術監督を務めるなどした日本を代表する画家の1人。1977年に東大中央食堂が竣工した際に東大生協へ絵画「きずな」を寄贈、以来食堂内の壁面に展示されていました。

しかし4月末にネットで、食堂を改修するにあたって東大生協が絵画を処分していたことが発覚し話題に。

生協では2017年8月から、老朽化が著しかった食堂を内装の全面改修工事および厨房機器一式の取替を行い、2018年3月末にオープンしました。その中で生協の質疑応答コーナー「ひとことカード」に「宇佐美氏の絵画の行方はどうなったのか」という質問が寄せられ、3月15日に生協側は「新中央食堂へ飾ることができず(全体にわたって吸音の壁になることや意匠の面から)、また別の施設に移設するということもできない」ことから処分することにしたと回答(現在、「ひとことカード」の内容は変更済み)。

しばらくたった4月末、Twitterでこの「ひとことカード」の内容が取り沙汰され、重要な絵画作品を廃棄していたことに「あり得ない」「恥ずかしいを通り越している」「教員の怠慢が招いた悲劇」と批判が集まりました。

これを受け東京大学と東大生協は、絵画を処分していたのは事実として謝罪。もともと東大側では工事の監修にあたった教授が打ち合わせ段階で、絵画を保存するべきとして改修工事後の新たな設置場所を具体的に指定していました。しかしその指示が関連会議で適切に共有されず、所有権者である東大生協が廃棄処分の判断を下してしまったと経緯を説明しています。処分は2017年9月14日に行われましたが東大側には伝えられておらず、今回の件で初めて把握したそうです。

【ねとらぼ 2018.5.8.】

東大生協、画家の大作を廃棄「重大さに思い至らず反省」

飾られていたのは、1972年のベネチア・ビエンナーレで日本代表を務めた故・宇佐美圭司さんの4メートル角の作品「きずな」。生協によると、76年に生協創立30周年記念事業として制作を依頼したという。

今年3月の食堂改修を前に生協と大学で作品の取り扱いを検討したが、絵が壁に固定されていて技術的に取り外せないなどと議論になり、生協は昨年9月に廃棄したという。生協は専門家に相談せず、「実際には可能であった搬出や保護の方法について検討を怠った」「作品の芸術的価値や文化的意義について十分な認識を共有しなかった」としている。

生協は3月、改修にあたって絵の行方を尋ねる質問にホームページで、「新中央食堂へ飾ることができず、また別の施設に移設するということもできないことから、今回、処分させていただくことといたしました」と回答。「吸音の壁」になることや「意匠の面」で絵が飾れないことを処分の理由に挙げていたが今回、「事実に基づかず、きわめて不適切な回答」として撤回した。

76年当時、学食の壁にだれの作品を飾るか大学側から相談を受け、宇佐美さんを推薦した高階秀爾・東大名誉教授(美術史)は「かなりの大作で、宇佐美さんも一生懸命に描いたものだ。作風は代表的なもので、廃棄したというのはひどい話。たいへん驚いたし、残念だ」と話した。

【朝日新聞 2018.5.8.】

東京大学生協(東京大学消費生活協同組合)は、東京大学の学生、院生、教職員が出資金を出し合い、学内で購買部、書籍部、食堂などを運営している福利厚生団体です。生協に加入すると、教科書を含む書籍の割引など、様々なサービスを受けることができます。

【東京大学消費生活協同組合】

世界から多くの観光客を呼び寄せたスペインでの「キリスト画改修事件」と比べても、やるせなさと切なさしか残らない”絵画破壊事件”

出典:Wikipedia

出典:Twitter(@artfront_ky)

えええっ!?
こ、こんなに大きくて素敵な絵画が、改修に伴って無残にも廃棄されてしまったのですかぁ…?
寄贈された宇佐美圭司さんも、きっと色々な思いを込めてここまでの作品を描かれてプレゼントされたのでしょうし、これはいくらなんでも酷すぎますですぅ

しかも、実際には、この作品は分解することが可能で、食堂の改修に伴って搬出、保管することも出来たとのことで、一体なぜこんな事態になってしまったのか、いささか理解苦しむところがあるね…。

ちなみに、絵画に伴う事件やハプニングと言えば、2012年に発生した、スペインの田舎街にある教会の壁に100年前に描かれたキリストのフレスコ画を、地元のおばあさんの画家が”善意”で修復した”事件”だ。
その結果、とんでもない絵になってしまったことで、「キリストの絵がまるで猿のように…」などと全世界で大ニュースとなり、一時は非難や嘲笑が殺到したものの、何とこれが全世界から大量の観光客が殺到する事態に発展。
当時に散々酷評を浴びたおばあさんは、今や「街おこしの立役者」に変身しており、現在では、この絵画を厳重にガラス保護しつつ、スペインでも屈指の観光名所と化しているようだ。

酷評のキリスト画「修復」で観光客殺到、スペイン

(CNN) スペインの教会で昨年「修復」されたキリストのフレスコ画が「サルのようだ」などの酷評を浴びたことが逆に多数の観光客を招き寄せ、地元の町を沸き返らせる結果となっている。
セシリア・ヒメネスさん(81)が修復したフレスコ画があるのは同国北東部ボルハの教会。数千人規模の観光客が押し掛けるのを受け、教会はフレスコ画観賞の入場料徴収も開始。地元メディアによると、7万人分の入場料である5万ユーロ(約650万円)が地元の慈善団体に寄付されたという。
レストランやバーの客も増え、絵はがきやたばこのライターなど特産品の生産、販売も計画。得た収入はヒメネスさんと地元当局の間で折半する予定。
米競売サイト「イーベイ」で作品を売っていたヒメネスさんは今週、ボルハで個展も実施。キリスト画修復でけなされもした才能の真価をうかがわせる作品も飾っている。
英紙デーリー・テレグラフによると、ヒメネスさんは「私は幸せ。非常に素敵な人々は私をたくさん支えてくれた」などと喜んでいる。

【CNN 2013.8.17.】

↓今では様々なグッズやお土産も売られ、”改修”したおばあさんは著作権収入で大金持ちに!?

出典:ロケットニュース24

上記のケースでは、いわば「災い転じて福となす」というべきか、結果的に人々にとってプラスの結果をもたらした事件となったけど、今回の東大を舞台にした絵画廃棄事件は、残念ながら、ほとんどプラスになる要素が見当たらない状況だ。

みはるちゃんが言うように、絵画を寄贈した宇佐美氏の「絵に込めた思い」にまで意識が全く至らずに「改修工事の妨げになる」との理由だけで、慎重な検証や絵を保存するための努力に行動が繋がることもなく、あっさりと廃棄処分の判断を下してしまったことが、何よりも残念でならない。
最近の日本の人々に広がりつつあるように感じる「思いやりや感性の低下」もさることながら、合理性や効率ばかりに意識が向かいがちなことで、人としての”根幹部分”が薄れてきているような気がしてしまうのが、なんとも悲しい気分になってしまうね。

やっぱり、私たちはロボットではなく生身の人間ですし、ひたすら要領や効率性を追いかけてしまうと、何か「大きなもの」を失っていってしまいそうな気がしてしまいますぅ…

絵画や音楽、文学などの芸術に触れる機会を多く持ったり、これらに深く接するだけでも、感性や精神性を深めていくことに繋がるし、こうした多くの先人が遺した数多くの優れた芸術作品に触れる機会が圧倒的に減ってきているように感じるのも気になるね。
いずれにしても、最近の日本社会の傾向ともども、ついつい色々なものを考えてしまう騒動だ…。

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