(コラム第23回)
こんにちは、ゆるねとにゅーす管理人です。
今回は、トランプ大統領によるメキシコとの国境の壁の建設に関する批判や騒動が大きくなっているのを受けて、世界各地にある「国境の壁」の存在を紹介しつつ、地球規模で存在する移民・難民問題の難しさについて少し考えてみたいと思うよ。
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えっ?国境の壁って、トランプさんが建設しようとしている以外にも色々存在してたんですかぁ?
ああ。あんまり国際問題に詳しくない人にとっては、トランプの政策がいかにも突拍子のないようなものように感じてしまうかもしれないけど、実は世界には(ベルリンの壁なんかは有名だけど)結構あるんだよ。
てなわけで、まずは以下、その一例を紹介していこうかと思うよ。
イスラエルとパレスチナ自治区の間にある壁
出典:ウィキペディア
パレスチナは国連から国家として正式に認められていないけど、パレスチナ人が住んでいるヨルダン川西岸地区とガザ地区との間に439.7 キロにも及ぶ壁がイスラエルによって建設されている。
この壁について、イスラエル側は「パレスチナによる自爆テロによる被害を防ぐため」と主張しているけど、イスラエルによって一方的に建設が進められている状況に、パレスチナ人を初め各方面から批判が湧き起こっている状況だけど、(ウィキペディアによると)確かにこの壁によって自爆テロによるイスラエル人の被害が大幅に減っている状況とのことだ。
イスラエル政府によれば、分離壁(イスラエル政府は「セキュリティ・フェンス」と呼んでいる)の建設により、パレスチナ人によるイスラエル市民への自爆テロ事件は大幅に減少したとしており、分離壁の建設によりテロ抑止には大きな効果が上がっているとしている[8][9]。 また、統計上、分離壁の大部分が完成する前後をみると、2002年には47件の自爆テロが発生し238人のイスラエル市民が犠牲となったのに対して、2008年では自爆テロ2件うち犠牲者1名まで減少している[10]。
ちなみに、壁はまだ完成しておらず、2012年の時点で56.6キロが建設中で、211.7キロが未着工とのことだ。
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サウジアラビアとイラクの間にある壁
Saudi Arabia is building a 600-mile ‘Great Wall’ to shield from ISIS — via @Telegraphhttp://t.co/4NcqV4Czvkpic.twitter.com/EqWmmQG4FY
— Business Insider (@businessinsider) 2015年1月14日
サウジアラビアは、イラクとの国境にカミソリワイヤー全開の過激すぎる壁を、砂漠のど真ん中になんと全長1000キロにも渡って建設中とのこと。
さらに金に物を言わせてハイテク技術を駆使し、高感度センサーを設置。少しでも生き物の反応があるとアラームが発動し、全長1450キロの光ファイバー回線によって内務省にあっという間に伝達されるという、とんでもないシロモノとのこと。
2015年から「イラク・シャームのイスラム国」対策で建設されているとのことなんだけど、そもそもサウジは9.11の首謀者のビンラディンを始め、様々なテロリストの拠点になっているはずだけど、一体どういうことなのか?
どうやらISにも複数の系統がおり、その派閥や勢力図がかなり複雑なことになっているみたいで、申し訳ないけどこのあたりはちょっとボクにもよく分からんよ…。
インドとパキスタンの間にある壁
出典:DNA
インドとパキスタンの間にある壁(フェンス)も、その眩しい投光器が宇宙から見えるほどに強力なもののようだ。
この両国は歴史的に何度か紛争を起こしていて、政治的な緊張度は高いといわれているものの、唯一の検問所があるワガ国境付近で、毎日「フラッグセレモニー」なるイベント(儀式)が行なわれるらしい。
さながらその様子はお祭りのようであり、両国の人々がこのイベントを観に大勢集まるらしく、仲がいいの悪いのかよく分からない「不思議な一体感」を見せて、一種独特な空気を醸し出しているらしいよ。
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ハンガリーとセルビアとの間にある壁
【移民危機】封鎖されたハンガリー国境で数千人が立ち往生 ハンストも
中東や北アフリカ、アフガニスタンなどから欧州を目指して押し寄せる大勢の移民に対してハンガリー政府は15日、セルビア国境にフェンスを設置し、これを壊し不法入国した場合は逮捕しセルビアに強制送還するという法律を施行した。このため国境のフェンス前で大勢の移民が立ち往生し、中には国境が開かれるまでハンストすると抗議する人たちもいる。
かみそりの刃のついた鉄線のフェンスはこれまで数万人が通過してきた鉄道の交差地点に設置された。ハンガリー入りを遮られた移民の中には、抜け穴を探す人もいれば、水やパンを地面に置き、「国境が開かれるまで食べない、飲まない」としばらく抗議した人たちもいた。ハンガリーのシーヤルト外相は、セルビア国境を封鎖したこのフェンスに加え、ルーマニア国境にもフェンス設置を計画中と話している。
ハンガリー政府は、オバマらによって引き起こされたシリア内戦のせいで発生した難民で溢れかえって、いよいよパンク寸前になってしまったことから、およそ41キロの有刺鉄線の壁を建設。
セルビアからハンガリーに向かうルートは、シリア難民がドイツやイギリスなどの難民に手厚い国に向かう「玄関口」みたいになっていて、そのせいで国家機能が麻痺してしまうほどに難民が押し寄せたことで完全にパニックになってしまったために、やむなく壁を建設して難民をシャットアウト。
これがまた西側メディアの非難の的になってしまい、ハンガリーは踏んだり蹴ったりな事態となってしまったようだ。
・・・
ちなみに、上記に紹介した以外にも北朝鮮と韓国&北朝鮮と中国との境界や、モロッコ内にあるスペイン領の飛び地など、世界に「国境の壁」といえるものは14箇所ほどあるとのことだ。
実はメキシコとアメリカの間にもすでに「壁」はある
メキシコ国境、すでにあった壁 ブローカーが明かす実情
そびえる柵の高さは約5メートル。細かく張り巡らされた鉄格子には、指先がやっと入るほどの隙間しかない。
~省略~
ティフアナ市内の別の場所では、二重、三重に柵や壁が国境沿いに張り巡らされていた。1980年代までは簡素な金網だったが、90年代から不法移民対策として米政府が建設を進め、2001年の米同時多発テロ以降にさらに強化された。今では両国の国境、約3200キロの3分の1ほどに金属製の柵や壁がある。
え、えええ~~!?
す、すでにトランプさんが建設する前に、アメリカとメキシコの国境には壁はあるんですかぁ?
メキシコとアメリカとの国境はなんと3141キロにも及ぶ広大な境界で、それだけにとにかく大量の人々が行き来している。
したがって、不法入国によってアメリカに入ってくる移民の数も凄まじく、その数は毎年100万人も及ぶという。
こういう状況なので、以前からアメリカ側で壁の建設は本格的に議論されていて、2005年11月3日に、共和党のダンカン・ハンター議員によって具体的な建設案が提案され、2006年10月26日にブッシュ大統領が「安全フェンス法」に署名。
現在すでにある程度しっかりしたフェンスがある状況で、これを避けて砂漠や高山を超えて入ろうとしたり、川を渡って密入国しようとする人々が続出。
このせいで、年間300人程度がアメリカへの密入国に失敗して死亡しているとのことだ。(ウィキペディア)
↓サンディエゴの国境フェンス。棺桶にその年の死者数を記し、不法に越境しないように注意を促している。
出典:ウィキペディア
壁の建設の是非や批判を行なう以前に、「難民をいかにして出さないか」を世界レベルで真剣に考えるべき
な、なんか、トランプさんがいかにもとんでもないことをやろうとしているように思っちゃってたのですが、色々見てみると、ちょっとその印象が違ってきた気がしてきたですぅ。
結構世界中に壁とかフェンスはあるのと、すでにアメリカとメキシコにもこんなしっかりしたフェンスがあったなんて…!
今まで色々な世界の壁を見てきたけど、その多くが結構最近に作られていることが分かるかと思う。
それだけ、ここまで壁を作らざるを得ないほどに、近年難民や不法移民問題が深刻化しているということの表れでもあり、やはりその発端になっているのは、ISなどのテロリストの台頭による中東全体の混乱やシリア内戦だ。
そもそもこういう難民が大量に発生してしまうようなきっかけを作ったのは、ISやアルカイダなどのテロ組織を作り出したCIAや、ブッシュ、オバマ、ヒラリーなどのネオコン系政治家と、その上にいる軍産複合体であり、「正義の戦争」などと称して中東の各国に不当に介入し、大量の一般市民の犠牲者を出しながら、実質的な侵略と乗っ取りを繰り返してきたことで、壁を作らざるを得ないほどにますます大量の難民が生み出されてしまったんだ。
中東の政治指導者を非難し、内政干渉した結果、実際に中東に安定がもたらされて、難民も犠牲者も出ないほどに平和になったのならいざしらず、実際はこのざまだ。
アメリカ・欧州(国連)による中東への「正義の戦争」によって、ここまで大量の難民を生み出し、自国の国民を守るためにフェンスを建設せざるを得ない状況になったのなら、まずは「差別だ」「反道徳的だ」と壁を作った国を叩く前に、大量の難民を生み出したネオコン軍産勢力を非難すべきなのではないのか?
壁を作ろうとしているトランプに対する非難もそうだけど、ボクはどうしても、メディアやメディアの報道に感化された人たちの非難の矛先や論点が少しずれているように思えて仕方ないんだ。
そして、実際に無制限に難民を受け入れたドイツやフランスなどでは、(当初の懸念どおり)難民に紛れてテロリストが入り込み、多くの死者を伴うテロがすでに起こってしまっている。
こんな背景を見ても、こうした論調を展開している西側メディアは、難民を大量に生み出し、テロリストを欧米に潜入させようとしている勢力を支援している存在であり、第三次世界大戦などのカオスを世界で誘発させようとしているグローバリストの公報機関であることがまざまざと浮かび上がってくるんだよ。
まとめ
つ、つまりは、こうした難民を生み出す「正義の戦争」をやめない限り、ますます壁を作らざるを得ない状況になってしまいますし、こうした動きに対して「差別だ」「反道徳的だ」と非難して、壁を作らせないようにしても、どんどんその国でテロが激化していってしまうということですねぇ…。
なんていうか、すっごくやりきれないというか…こんなのかなりおかしいですぅ!
確かに、命からがら紛争地域を脱出してきた難民をシャットアウトしてしまうのは、「反人道的だ」といわれても仕方ない部分はあるかもしれないし、こうした論調に向かいたい気持ちはとても理解できる。
しかし、だからといって、難民を寛容にどんどん招き入れることでテロリストがその国に入り込むことを許し、大勢の国民が死ぬような無差別テロの悲劇が起こされてもいいのか。
そういう意味で、すでにこうしたケースが起こっているのに、「人道的見地」を理由に壁を作る動きなどを非難しているのも無責任だと思うし、これは言ってみれば「もしテロリストが紛れて入ってしまったその時は諦めろ」と言っているのと同じだとボクは思う。
この問題を解決する方法はただ一つ、「いかにして難民を多く生み出さない世界を作っていくか?」だけなんだよ。
昨今のメディア報道や論調は、そうした観点を全く無視していると思うし、とにかくも、こうした難民を大量に生み出し、さらには大量のテロリストまでも生み出した獰猛な欧米戦争屋勢力を全力で潰さない限り、非常に難しい難民問題が改善に向かうことはまずないとボクは考えているよ。
本当にそう思いますですぅ。
こういう風に考えると、やっぱり難民を入れたがらないトランプさんばかりを悪者みたいに徹底非難したり、難民を無制限に入れる政治家さんたちを正義の味方みたいに手放しに賛辞するのはちょっとおかしいですぅ。
こうした動きを見る限り、テロや難民を生み出して、世界をカオスに導きたいグローバリストにとってはトランプがとにかく憎いみたいなので、こうしたグローバリストに徹底的にコントロールされたマスメディアの報道に誘導されないように、十分に気をつけていかないといけないね。
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