どんなにゅーす?
・映画「君の名は」のテーマソングなどで知られるバンド・RADWIMPSが発表した愛国ソング「HINOMARU」について、「軍歌のようだ」などの批判が多く集まっていたことについて、作詞・作曲をした野田洋次郎氏が「傷ついた人達、すみませんでした」と謝罪コメントを発表した。
・野田氏は「この曲は日本の歌です。この曲は(中略)どんなことがあろうと立ち上がって進み続ける日本人の歌です。」とした上で、「みんなが一つになれるような歌が作りたかった」とコメント。日本人を元気にするための純粋な思いから作ったものだったことを強調した。
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「HINOMARU」の歌詞を謝罪。RADWIMPS・野田洋次郎さん「傷ついた人達、すみませんでした」
「HINOMARU」は、「風にたなびくあの旗に 古よりはためく旗に意味もなく懐かしくなり こみ上げるこの気持ちはなに」と問いかけからはじまり、「受け継がれた歴史」や「気高きこの御国の御霊」「日出づる国の御名のもとに」が登場する。タイトルからして、直接な表現があふれるわかりやすい愛国ソングとしてリリースされた。
この歌詞がネット上で話題になり、「国歌にしてほしい」という声から「これは軍歌?」という疑問まで賛否さまざまな意見があがっていた。
野田さんはTwitterで、英語と日本語で、「HINOMARUの歌詞に関して軍歌だという人がいました。そのような意図は書いていた時も書き終わった今も1ミリもありません」と釈明した。
曲の意図について「この曲は日本の歌です。この曲は大震災があっても、大津波がきても、台風が襲ってきても、どんなことがあろうと立ち上がって進み続ける日本人の歌です。みんなが一つになれるような歌が作りたかった」と言及した。
「結果的にその曲で不快な想いをさせてしまった人がいたというのが何より悲しいです」として、「色んな人の意見を聞いていてなるほど、そういう風に戦時中のことと結びつけて考えられる可能性があるかと腑に落ちる部分もありました。傷ついた人達、すみませんでした」と謝罪した。
Sincerely. pic.twitter.com/NAc6PvQanX
— Yojiro Noda (@YojiNoda1) 2018年6月11日
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無思想であることをアーティストが誇らしげにしているって、This Is Japan ぽいな。 pic.twitter.com/x8ZhiNlA3M
— kentarotakahashi (@kentarotakahash) 2018年6月8日
たぶん広告代理店仕事みたいなもんなんだろうな。思想なしでも作れる政治的な歌。
— kentarotakahashi (@kentarotakahash) 2018年6月8日
辻田 真佐憲「RADWIMPS衝撃の愛国ソング「HINOMARU」を徹底解剖する」https://t.co/7TXuxj71zj 辻田さん指摘のとおり、この曲は右翼的云々というよりその「言語表現の拙さ」が前景化していて、それが謝罪に至るまでのネガティヴな反響を呼んだのだろうと感じます
— 増田聡 (@smasuda) 2018年6月11日
「特定の思想はない」といいながら、言い古された言葉を誇らしげに歌い上げるのは馬鹿丸出しで恥ずかしい、という感性を持ち合わせていない人は厄介で困りますね。御国(皇国という言葉は知らないだろうな)とか、御霊(この場合「ごりょう」とは呼ばない)という言葉に無条件に惹きつけられるのか?
— 本田不二雄 (@shonen17) 2018年6月8日
「僕は特定の思想はまったくありませんよ」こう言えば格好いいとか思ってるのかな?(笑) 本人は「『HINOMARU』はこの国、日本を歌った曲。自分の生まれたこの国のことをちゃんと、一度歌にしたいと思いました」と言ってるけど、それで出来た歌詞がコレとかクラクラする。申し訳ないが気持ち悪いわ。
— 瑚楠 (@Psychedelic_sky) 2018年6月8日
世界ではアーティストが社会や政治や思想を表現するのは当たり前。
多くの右派が好む曲を作り
「特定の思想はまったくありませんよ」
と宣言してしまう笑いわばまさにThis is Japan lol
わぉ…@YojiNoda1 https://t.co/omtdtTiol4— Mayuko.K (@MLA00000007) 2018年6月9日
同感です。「思想がある」ならわかる。思想がないのに歌えちゃうんだー、というのが、率直な感想。
— tokunaga shin-ichi (@shin1toku) 2018年6月9日
「右でも左でもない愛国」を表現したポップ・ミュージシャンといえば、やっぱりピチカート・ファイヴじゃないの。日の丸をジャケにあしらい、君が代を演奏し、オリンピック選手団のユニフォーム着てるけれど、同時にある種の無効化を働かせている。 pic.twitter.com/nqqHnXv0vM
— kentarotakahashi (@kentarotakahash) 2018年6月12日
ホントだ、やな感じしない…。ポップ、コケティッシュ? なんだろう、表情とか背景とかポーズとか違うとアレなのに、狂信的、いかめしい、それらとは逆の不遜、どれもない。不思議。
— ヒロ (@harukamu1) 2018年6月12日
「さえらジャポン」の中の「現代人」じゃ ♪国民番号制度には やっぱり大反対ですけれど アナタの携帯電話の番号 よければ教えて下さい とか歌ってますし(^^) pic.twitter.com/owMYHawn8g
— チョービギナー (@chobeginner) 2018年6月12日
「愛国心を持って何が悪い」というコメントが結構多いのだが。国家(政府)と、アイデンティティーとしての風土と文化・社会・人々との関係とは異なるもの。国家=個人でもない。それを全部一緒くたにし、帰属と忠誠を強いるナショナリズム的な「愛国心」は、多様な価値観の否定や排外主義、
— 志葉玲 (@reishiva) 2018年6月11日
歴史修正主義や全体主義につながりがち。ネトウヨが政権批判に対し、すぐ「じゃあ、日本から出ていけ」と罵ることが象徴的だね。また、日の丸と先の侵略戦争との関係性を野田さんも知らないわけでもないだろうに、それで「みんなが一つになれる」と思い込むのは、無垢であると共に暴力的でもあるなと。
— 志葉玲 (@reishiva) 2018年6月11日
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日本の商業音楽の質の劣化と、安易でポップな”愛国カルチャー”の危うさを浮き彫りにした今回の騒動
出典:YouTube
「HINOMARU」の歌詞の内容に多くの批判が集まっていた中、この曲を作曲したRADWIMPSの野田洋次郎さんが、「傷ついた人達、すみませんでした」と謝罪コメントを発表しました。
その上で、ただ単に「どんなことがあろうと立ち上がって進み続ける日本人の歌です。みんなが一つになれるような歌が作りたかった」とした上で、「戦時中のことと結びつけて考えられてしまう可能性がある」ことにも理解を示しつつ、軍歌のような意図はないと繰り返し強調しております。
それに加えて野田洋次郎氏は、「特定の思想はまったくない」と強調している状況だけど、だからこそ、(すでに多くの人が指摘しているけど)これは「一番あかんパターン」のように思えてしまったよ。
音楽・文学・絵画など、あらゆる芸術や表現分野において、その本人が「特定の思想がない」と言っている時点で、「お金」「ビジネス」のためだけに作っていることを表明しているも同然だし、やはり、この記事でも指摘されているように、曲調そのものに「何となく楽しそうなポップさ、親しみやすさ」こそあれど、作品に対する深い意図や訴えたいメッセージ性のようなものもあまり感じず、(この記事でも書いたように)何となく勇ましくカッコイイ日本の古い言葉をちりばめ、国に対する敬意や愛国心を盛り上げようとするだけの、いわば”空疎”な作品となってしまっているように感じる。
対して、上のツイートで紹介されているピチカート・ファイブの「日本ネタ」は、「日本」という要素を自身の表現対象に自在に昇華させている上で、独特のひねりやファッション性、皮肉やユーモアなどの「唯一無二の表現者の個性」が実に効いており、作品そのものが多面的かつ重層的なメッセージを発しているのが分かる。
つまり、「HINOMARU」が、「昨今の”愛国カルトブーム”や”日本スゴイスゴイ”の扇動を面白おかしく皮肉る意図で作られた」のであれば、なかなか面白い表現作品だったものの、作曲者の一連の対応によって、ますます音楽作品として、実にチープで貧弱なものであったことが浮き彫りになってしまったということだ。
(そして、野田氏自身、安易に資本権力側に迎合し、国家に対する敬意を表現したり民衆に向けて愛国心を高揚させるような音楽を作ることは、「(かつての戦中のように)一つ間違うと非常に危険な状況を生み出しかねない」という現実を今ひとつ理解していないように見えるのも、どうも気になるところだ。)
これはやはり、日本の商業音楽全体の「質の劣化」が激しく進んでいることを示しては、テレビやマスメディアと距離が近いメジャーなミュージシャンほど、表面的な流行やブームに乗っかるだけの「資本勢力」に忠実な”雇われライター”になりかかってしまっているということなのかもしれませんね。
元来、音楽そのもの、特にロックのジャンルこそ「革新性」や「反骨精神」、「社会や権力に対する強い怒りや反逆」を表現するものであるはずだし、特に海外では、レコード会社やマスメディアとミュージシャンが常に対立・対峙し合っては、社会問題や騒動に発展していくほどの過激でスキャンダラスな内容の「不朽の作品」が数多く生み出されてきたけど、最近の日本の「(自称)ロックミュージシャン」は、すっかり権力に従順に飼い慣らされてしまったということなのか。
日本のお笑いの分野でも同じようなことが言えそうだけど、これも、日本の政財界を支配している「資本勢力」に従順に飼い慣らされては、個人としての思想や思考を抜き取られ、「権力の駒」として動くだけの「ロボット」に仕立て上げられてしまう「グローバリズム」がもたらした結果のように思えるし、色々な意味で、日本中で進行しつつある「思考力や感性の著しい劣化」の危機を感じずにはいられない騒動のように思えるよ。
優れた芸術や表現作品に出来るだけ多く触れることで、私たちの感性や視野がより大きく深まっていくものですが、それらに触れる機会が圧倒的に少なくなっていることは、私たちにとっても大きな危機なのかもしれません。
それだけに、今回の「HINOMARU」騒動は、私たちに対しても多くの警鐘を鳴らしてくれているものなのかもしれませんね。
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