新型コロナ、「エアロゾル感染」めぐり激しい”論争”勃発!「空気感染と同じ派」と「飛沫感染と同じ派」とで不毛な衝突に…!

Pocket

どんなにゅーす?

・新型コロナウイルスの脅威が世界的に広がっている中、このウイルスの性質について、日本のネット界において激しい論争が勃発している。

・ネット上では、マスコミで伝えられている「エアロゾル感染」について、「空気感染とほとんど同じ」という声と「飛沫感染とほとんど同じ」という意見同士で衝突が発生。双方で非難・攻撃し合うようなケースも発生しており、物事の本質からどんどん離れる事態になっている。

↓バズフィードニュースは、「エアロゾル感染と空気感染は同じというのは誤り」とする「ファクトチェック記事」を配信。

新型コロナ「エアロゾル感染を確認。要するに空気感染」は誤り。ネットで不安と誤解が拡散

~省略~

新型コロナウイルスをめぐり、「エアロゾル感染が確認された。要するに空気感染」という情報がネット上に広がっている。

こうした情報は過度に不安を煽るものであり、「誤り」だ。BuzzFeed Newsは神戸大学教授で感染症の専門家、岩田健太郎医師の協力を得て、ファクトチェックを実施した。

~省略~

前提として、「エアロゾル感染が空気感染」という指摘は「誤り」だ。

そもそもいわゆる空気感染とは病原体の特徴で、空気中にウイルスなどが長時間漂うことで感染が広がることを指す。こうした経路を通じて感染するのは、麻疹、水痘、結核などだ。

では、エアロゾル感染はどうか。岩田医師はBuzzFeed Newsの取材に「一意的な定義はないと理解しています」としたうえで、「この件の文脈で言うならば、病原体を含む液体が霧やガスのような状態で空中を広がることと理解すればよいでしょう。一過性の発生が特徴です」と指摘した。

咳やくしゃみなどによって感染が広がる「飛沫感染」よりは感染の範囲が広がるとはいえ、恒常的に感染の広がりが認められるものではないため、「空気感染」とはまったくの別物なのだ。

~省略~

【BuzzFeed 2020.2.10.】

↓一方、読売新聞は「”エアロゾル”感染」を「”空気”感染」と訳した上で、中国の専門家の意見を掲載。

ウイルスの空気感染、特殊な環境下で「可能性ある」…中国の研究者指摘

~省略~

上海市当局者は今月8日の記者会見で、新型コロナウイルスによる肺炎の感染経路について、せきやくしゃみなどによる飛沫感染と接触感染に加えて空気感染の可能性を挙げ、対策を呼びかけた。

空気感染については、中国疾病対策センターが9日、「空気感染を示す根拠はない」と過剰反応を戒めている。しかし、感染の中心となっている湖北省武漢市にある華中科技大学の徐順清公共衛生学院副院長は同じ日の記者会見で、病院の手術室など特殊な環境下では「可能性がある」との見解を示した。

~省略~

【読売新聞 2020.2.10.】

またもネット上で不毛な衝突や分断が発生!「極論」や「決めつけ」が蔓延し、「事の本質」から外れたところで非難・中傷合戦に!

新型コロナウイルスについて、中国当局による会見をきっかけに、大手マスコミにおいても「エアロゾル感染」という言葉が報じられるようになっていますが、その「エアロゾル感染」をめぐって、ネット上で不毛な争いが勃発しております。
当サイトでもこの記事で紹介しましたが、要は、「空気感染とほとんど同じ」という意見と、「飛沫感染とほとんど同じ」という意見とで激しく対立しており、ネットユーザーレベルで衝突が発生している他、ネットメディアにおいてもその見解が大きく割れており、かなり殺伐とした雰囲気となっている状況です。

当サイトにおいては、こちらの記事において「空気感染とも飛沫感染とも異なるもの」として捉えるのがいいのでは…との見解を述べたところだし、ボクが言ったとおり、「そこまで厳密に区分せずに、”ふわっ”とした感じで直感的に受け止めておく」ことができれば、こんなことにならないはずなんだけど…。
やっぱり、「こうなってしまう」んだよね。

例えば、上のバズフィードニュースにおいては、専門家からの意見を紹介した上で、「要は空気感染というのは間違い」と断言してしまっているけど、上のように、読売新聞においては、その「”エアロゾル”感染」を「”空気”感染」と訳して報じている状況だ。
(また、グーグルで「新型コロナ 空気感染」のワードで検索してみると、↓下のように「エアロゾル感染の記事群」がトップに表示される状態だ。)

その他のネットの声をみても、例えば、このWHOのレポートに「Implementing empiric additional precautions (droplet and contact and, whenever applicable, airborne precautions) for suspected cases of 2019-nCoV infection; 」と「airborne(空中の・空気伝達の)」との文言が入っていることから、「WHOが空気感染(Airborne infection)の可能性を示唆した」とする意見が出ている状況だけど、WHOのレポートには「必要があれば、空中の予防措置を講じる」と書かれているだけであり、これも、はっきりと「空気感染(Airborne infection)」の単語が出ているわけではない

これらをまとめると、要は「エアロゾル感染についても”空気感染”としてまとめている場合もある」ということ(そもそもエアロゾルそのものが、大きさや形態など、かなり「広範なもの」を指しているみたいだからね)だろうし、これらを「一体どっちなんだ」と厳密に定めようとすること自体、ナンセンスなのではないだろうか。
つまり、現時点では、「新型コロナウイルスは分かっていない部分が多く、考えられる可能性を考慮した万全の対策を取るのが望ましい」ということでいいのではないかな?

(そういう意味で考えると、「過度に不安をあおる」との理由で、今のような段階で「エアロゾル感染は空気感染とほとんど同じというのは間違い」と断定してしまったバズフィードの「ファクトチェック記事」は、ちょっとNGだった感じがするね)

管理人さんが言っているように、「はっきりしないもの」を「そのまま捉えて、直感的に考え、行動する」という考えが欠如してしまっているケースが多いように見えますし、一つ一つの情報や報道に、必要以上に過敏に反応しては、パニックになったり非生産的で攻撃的な行動に出てしまう人が多いように感じられますね。

どんな時でも、出来る限り地に足の着いた適切な行動を取りたいものだし、一般市民同士で争いや分断を起こさずに、出来ることをそれぞれが協力しながら物事の本質や真相を考えていきたいところだ。

※補足:下記の日経ビジネスの記事は、この問題を理解する上で、なかなか分かりやすく説明されている。
つまり、ボクがこれまで述べてきた通り、「ふわっと直感的に捉えておく」のが最も適切ということだ。

~省略~

そもそも「エアロゾル感染」とは何なのか。

日本エアロゾル学会によれば、エアロゾルとは、「気体中に浮遊する微小な液体または固体の粒子」を指す。ミスト、ヒュームとも呼ばれる。霧や煙霧、スモッグなどもエアロゾルの一種である。一般的に、粒径は分子やイオンとほぼ等しい0.001マイクロメートルから、花粉などと同等の100マイクロメートル程度までの広い範囲にわたるが、国立感染症研究所は5マイクロメートル未満と定義している。この粒径の小ささがポイントだ。

厚生労働省によれば、感染経路の種類は医学的に、「空気感染」「飛沫感染」「接触感染」「経口感染」の4つに大別される。

「飛沫感染」は、ウイルスが唾液や気道分泌物に含まれた状態で空気中に飛び出して別の人に感染することを指し、「空気感染」は水分を伴わない状態でウイルスが空気中に飛び出し、感染することを言う。飛沫感染はインフルエンザなど多くのウイルスの感染経路として一般的。一方、空気感染する感染症は、結核、麻疹(はしか)、水痘(みずぼうそう)など数種類のみだ。爆発的な流行を引き起こす感染経路として知られる。

感染者のせきやくしゃみで排出される多くの飛沫は5マイクロメートル以上で、1メートルから数メートルしか飛ばないが、5マイクロメートル未満の飛沫や空気中に含まれている霧のような微粒子であるエアロゾルは、すぐには地上に落下せず、ウイルスを含んだままふわふわと空気中を漂う。

エアロゾルは飛沫の一種であるが、空気中を漂うため、飛沫感染にも空気感染にも似る。

厚生労働省結核感染症課の担当者は「『エアロゾル感染』を空気感染の一種とする説もあれば、飛沫感染の一種だとする説もある。科学的に解明されていない部分も多く、かなり曖昧な用語だ」と話す。

~省略~

【日経ビジネス 2020.2.10.】

Pocket

 

 関連記事