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アニメ界の巨匠・高畑勲氏が82歳で死去 作品を通じて戦争の恐怖や社会問題を訴え、近年の安倍政権の”戦前回帰”にも強い危機感!

アニメ界の巨匠・高畑勲氏が82歳で死去 作品を通じて戦争の恐怖や社会問題を訴え、近年の安倍政権の”戦前回帰”にも強い危機感!

どんなにゅーす?

・2018年4月5日、日本アニメ界の巨匠として知られる高畑勲監督が82歳でこの世を去った

代表作は、「火垂るの墓」や「アルプスの少女ハイジ」「赤毛のアン」「じゃりン子チエ」など多数。アニメ作品としての完成度の高さもさることながら、戦争や差別などの社会問題など、人間の負の側面を冷静に見つめながら、人々へのメッセージを込めた作品群は世界から高い評価を受けており、国内外から彼の死を悼む声が数多く寄せられている。

高畑勲監督の訃報…鈴木敏夫P、岩井俊二監督らがコメント発表 Twitter上でもファンの惜しむ声

4月5日、スタジオジブリ映画『火垂るの墓』などで知られる高畑勲監督が肺がんのため死去。この訃報を受けて、ジブリの鈴木敏夫プロデューサー、遠縁の親戚である岩井俊二監督、そして大勢のアニメファンから別れを惜しむコメントが上がっています。

スタジオジブリは4月6日、公式サイトにて、高畑勲監督との“お別れの会”を5月15日に行うと発表。
併せて、鈴木敏夫プロデューサーも「やりたい事がいっぱいある人だったので、さぞかし無念だと思います。宮崎駿とも相談し、ジブリとして盛大なお別れの会をとり行い、見送ることにしました」と追悼コメントを記しました。

~省略~

高畑監督が演出を務めた『アルプスの少女ハイジ』の作品公式Twitterも「高畑勲氏が昨日ご逝去されました。素晴らしい作品を創り上げていただいたスタッフの皆様方とハイジを愛し続けていただいております皆様に改めて感謝申し上げますとともに、心より故人のご冥福をお祈り申し上げます」と綴っています。

また、Twitter上では、大勢のアニメファンからも「本当にジブリ作品の中でも『火垂るの墓』好きでした」「高畑監督のアルプスの少女ハイジが本当に大好きです」「『平成狸合戦ぽんぽこ』は別格で、ほんとうに何度も観た」「高畑監督作品ではじゃりン子チエが好きでした」「私にとっての高畑監督は何と言っても『赤毛のアン』」「『かぐや姫の物語』を観た時の衝撃は忘れられません」など、高畑監督を惜しむ声が上がっており、高畑監督が遺した足跡の大きさが窺われます。

【アニメ!アニメ! 2018.4.6.】

高畑勲監督が最後に遺した無念の言葉「これで安倍政権が崩れないのが信じられない」「自由で公平で平和な国で死にたい」

高畑監督は“戦争のできる国”づくりをなんとか止めようと、積極的に発言し、行動を起こしていた。

2014年には特定秘密保護法に反対するデモに参加。その後もデモへの参加は継続しながら、15年の安保法制の際には講演会などでメッセージを発信し、また、沖縄基地問題にも精力的に関わっている。

16年には、実際に辺野古と高江に足を運んだほか、警視庁機動隊員の派遣中止を東京都公安委員会に勧告するよう求める住民監査請求に請求人のひとりとして参加。その年の年末には、高江ヘリパッド建設中止を求めるアメリカ大統領宛の緊急公開書簡の賛同者にも名を連ねた。

高畑監督をつき動かしていたのはもちろん、自らの戦争体験を通じた、戦争への恐怖だろう。1935年生まれの高畑監督は先の戦争で、その恐ろしさを嫌というほど体験している。小学校4年生のときには空襲を受けた。空襲の夜、焼夷弾が降り注ぐなか、高畑監督は姉と2人、裸足で逃げたのだ。爆弾の破片が身体に突き刺さり失神した姉を必死で揺り起こしたりもしたという。一夜明け、自宅のほうに戻ると、遺体だらけだったという体験も語っている。

代表作である『火垂るの墓』があれだけ人々の感情を揺さぶり、高い評価を得たのも、そんな高畑監督のリアルな戦争体験と戦争への思いが強く反映されていたからだろう。

だが、その高畑監督は近年、「『火垂るの墓』では戦争を止められない」と発言するようになっていた。

『火垂るの墓』を観たときに多くの人が抱くのは、なんの罪もない幼い兄妹・清太と節子が戦争に巻きこまれ、死に追いやられることへのやり場のない怒りと悲しみだ。そして、やさしいはずの親戚さえ手を差し伸べなくなるという、戦争のもうひとつの恐ろしさを知る。死にたくない、殺されたくない、あんなひもじい思いは絶対にしたくない──そういう気持ちが生まれる『火垂るの墓』は反戦映画だと多くの人が認識しているし、実際、学校などでも「戦争という過ちを犯さないために」という理由で『火垂るの墓』が上映されることは多い。

しかし、高畑監督は、もっとシビアに現実を見つめていた。神奈川新聞(15年1月1日付)のインタビューで、高畑監督はこう語っている。

「『火垂るの墓』は反戦映画と評されますが、反戦映画が戦争を起こさないため、止めるためのものであるなら、あの作品はそうした役には立たないのではないか」
「攻め込まれてひどい目に遭った経験をいくら伝えても、これからの戦争を止める力にはなりにくいのではないか。なぜか。為政者が次なる戦争を始める時は「そういう目に遭わないために戦争をするのだ」と言うに決まっているからです。自衛のための戦争だ、と。惨禍を繰り返したくないという切実な思いを利用し、感情に訴えかけてくる」

また、昨年4月、東京・ポレポレ東中野で行われた、映画監督・三上智恵氏とのトークイベントで同様に、こう語っていた。

「『火垂るの墓』のようなものが戦争を食い止めることはできないだろう。それは、ずっと思っています。戦争というのはどんな形で始まるのか。情に訴えて涙を流させれば、何かの役にたつか。感情というのはすぐに、あっと言うまに変わってしまう危険性のあるもの。心とか情というのは、人間にとってものすごく大事なものではあるけれども、しかし、平気で変わってしまう。何が支えてくれるかというと、やはり『理性』だと思うんです。戦争がどうやって起こっていくのかについて学ぶことが、結局、それを止めるための大きな力になる」

【リテラ 2018.4.7.】

出典:Wikipedia

高畑勲監督って、とっても素敵なアニメ作品をたくさん残しながら、こんな風に、人一倍日本の行く末を心配していたのね…。
世界中から多くの哀悼のメッセージが寄せられていることを見ても、高畑監督の功績がとてもよく分かるわ。

その出で立ちやオーラを見ても、彼の誠実で謙虚な人柄がよく伝わってくるし、崇高で揺るぎない信念の下に日本や世界の平和や幸せを願って、珠玉のアニメ作品をたくさん生み出し続けたことを改めて感じる。
生前の数々の言葉を聞いても、権力による誘導の下に一方向に流されやすい近年の日本の風潮に大きな危機感を持っていたことが伝わってくるし、冷静かつ的確に現在や近未来の世相を読み取っていたことがよく分かる。

またもこの国にとって貴重な人を失ってしまったけど、高畑監督の生前に残した数々の価値ある言葉を胸に刻み、二度と「かつての過ち」を起こしてしまわないように、ボクたち国民一人一人がこの国と平和な社会を守っていく自覚を持っていくことが大切なのではと思うよ。

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