世間はこの決断に絶賛が相次いでいるものの…
出典：季節の食べ物情報
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小池都知事 豊洲市場移転延期を正式発表「三つ疑問ある」
「都民ファーストの感覚で」
東京都の小池百合子知事は３１日、緊急記者会見を開き、１１月７日に予定されていた都中央卸売市場築地市場（中央区）の豊洲市場（江東区）への移転開業を延期すると正式に発表した。小池氏は延期の理由について「安全性への懸念、巨額で不透明な事業予算、情報公開の不足の三つの疑問がある」と述べた。築地市場跡地には２０２０年東京五輪・パラリンピックで使用される環状２号線が建設される予定で、延期によって完成が遅れ、大会運営に影響を及ぼす可能性も出てきた。
世間では、小池百合子都知事が、以前からずっと揉めてきた築地市場の移転について延期を決断したことに、絶賛の声が相次いでいるようだね。
ところで、あおいちゃんは、この決定に関してどう思うかな？
そもそもこの「築地の市場を豊洲に移転する」っていう話は聞いたことがあるんだけど、なんでこれを移転したいのか？とか、なんで移転に反している声が多く上がっているのか？とか、よく分からないのよね。
それでも、小池さんが「都民ファースト」とか言いながら移転を延期して、多くの人がこれを賞賛しているから、なんとなく「いいことをしたのかなあ？」…っていう気もしてるんだけど。
それじゃあ、簡単にだけど、なぜこの築地市場を移転しようとしているのか？ということと、どうして豊洲に移転することに反対している人が多くいるのか？ということについて、少し紐解いてみようか。
あは！それは助かるわ！
是非とも色々なことを教えて欲しいわっ。
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そもそも、どうして築地市場を移転させる話が出てきたのか？
築地市場といえば、「東京都民の台所」として、長年に渡って業者だけでなく、観光名所としてもにぎわってきた歴史があるけど、実はかなり前から、建物の老朽化や違法駐車の増加などにより、この市場を本格的に改築する案や、別の場所に移転させる案は存在していたようだ。
実際に移転の話が本格的に盛り上がってきたのは、20年近く前で、改築案についても色々な問題点があることから、2001年に正式に豊洲に移転することが決定。2004年に具体的な計画を含めた「豊洲新市場基本計画」が決められたとのことだ。
なんせ、この築地市場の建物は、1935年（昭和10年）に建てられた建物がベースになっており、今でも過度の老朽化による崩壊の危険も指摘されている状況で、もちろん大きな地震があればますます崩壊の危険は高まるだろう。
さらには、当時の古い建築基準で建てられたために、近年問題になっているアスベストが多く建物に使用されていることも問題視。
ある程度これをカバーする工事は行われているものの、対策が万全ではないという声も多く、石原元都知事もこのアスベストの問題を根拠に、築地を移転させる必要性を主張していたんだ。
ちなみに、この築地市場、1954年（昭和29年）にアメリカのビキニ環礁で行われた水爆実験で大量被ばくした「第五福竜丸」が水揚げした、高い放射性物質を含んだ海産物が市場に持ち込まれ、市場が大混乱したという歴史もあるらしい。
なぜ、豊洲移転に反対する人が多いのか？
ええ？築地市場って、そんなに色々な問題があるんだ！
それじゃあ、移転させるっていう話が出てきても不思議じゃないわね。
それでもなんで、移転に反対している人がたくさんいるのかしら？
これにはいくつかの理由があるみたいだから、それぞれ説明していこう。
豊洲移転に反対する声が多い理由その1：交通アクセスの悪さ
移転先の豊洲市場は、現在の築地に比べて交通アクセスが悪いことが指摘されているようだ。
新しい市場は、青果棟、水産仲卸売場棟、水産卸売場棟のそれぞれが、環状2号線と都道484号線を隔てて立地しているせいで、行き来するのもとても不便で、これが業者の間で評判が非常に良くないという情報がある。
豊洲移転に反対する声が多い理由その2：建物の構造に批判が殺到
もう一つ、多くの批判があがっているのが、新しい豊洲の建物の構造が「非常に使い勝手が悪い」と言われていることだ。
特に仲卸業者からの反対の声が多く、「こんな建物じゃまぐろをさばけない」と怒りの声が多く起きているようだ。
【築地移転豊洲欠陥問題】衝撃の写真を公開する。キチガイが設計したとしか思えない。 pic.twitter.com/87fy7ymqo4
— 建築エコノミスト森山 (@mori_arch_econo) 2016年8月10日
豊洲移転に反対する声が多い理由その3：土壌の問題
これはマスコミでもよく取り上げられているけど、豊洲の移転予定地は、東京ガスのガス製造工場の跡地とのこと。
これもあって、土壌検査で鉛・ヒ素・六価クロム・シアン・水銀・ベンゼンという6種類の有害物質が国の規定する環境基準量を上回っているとのこと。
中でもベンゼンは局地的に基準値の43000倍の量が検出されていて、現在これらを緩和させるための対策工事が行われているようだ。
豊洲には不透明やお金や巨大な利権の影が…
なるほど、これを見る限り、移転先の豊洲にも色々な問題があるみたいね…。
これらの点の他にも、豊洲に関して何か問題点はあるのかしら？
これは直接的にはあまり関係ないかもしれないけど、豊洲市場建設の裏には、東京五輪と同じく、巨大な利権が存在しているといわれている。
やはりこれの中心人物となっているのは、当サイトでもたびたび扱ってきた内田茂氏みたいで、豊洲市場移転後の主要道路となる予定の環状2号線を含めて、本来の建築費用以上に莫大な費用が計上されている疑惑が出ているようだ。
都議会のドン 「五輪道路」受注業者から献金
豊洲新市場に移転した後の築地市場を通る道路・環状2号線の関連工事を、“都議会のドン”内田茂都議（77）の献金企業が複数受注していることがわかった。
環状2号線は、晴海の選手村から新国立競技場を結び、2020年東京五輪のメインストリートとなる予定で、“オリンピック道路”とも言われる。内田氏の地元・千代田区神田から江東区有明まで約14キロの道路だが、約5キロの虎ノ門－豊洲間は長く未開通だった。しかし、東京五輪招致を目指す中、東京都の整備計画を都議会自民党が支援し、虎ノ門－豊洲間の着工が決まった。一昨年には虎ノ門－新橋間が開通し、残るのは新橋－豊洲間の約3.4キロとなった。ただ、この区間は、築地市場の敷地内を通る予定で、移転を急ぐ大きな理由になっている。
もちろん、この原資となっているのは都民の税金なので、これもかなりの由々しき問題だ。
しかし、すでに多くの建物が作られてしまった上、現在も工事が進行されてしまっている状態なので、これを全て中止するというのも、かなりの痛みと覚悟が必要な話なのかもしれない。
結論：豊洲移転も色々と問題はあるが、築地で続けるのも問題が多い
うわぁ、これもかなり酷い話ね。
つまり、築地が移転する必要性が迫られてきたのをいいことに、内田議員などの良からぬことを企む連中が、おいしい利権にありつきながら、建設業者と癒着。
これがまた色々とおかしな問題を生み出して、カオスな状況になっちゃっているってことかしら？
豊洲の土壌問題がよく取り沙汰されているけど、実は築地も、先に紹介した第五福竜丸で水揚げされた「原爆マグロ」が地中に埋められているらしく、実際にどのような土壌の状態なのかがよく分かっていないとのこと。（ウィキペディア）
さらに建物もアスベストやら老朽化やら、かなりの問題が存在しているようなので、これ以上築地を今のまま続けるのもかなり問題があると思われる。
そして、小池都知事はこの度「都民ファースト」との理由で、一方的に延期を決めてしまったけど、果たしてこれは一概に「すばらしい決断」といえるのだろうか？
「延期」ということは、「いずれは移転させる」ということで理解していいのかとは思うけど、もしそうなら、なるべく早くに移転をさせるように、建物の改修や土壌の調査や対策工事などを急ピッチでやる必要があるかと思うし、大手メディアの報道ももう少し「現在の築地の諸問題についても報道していいのでは？」という気もしている。
小池知事も、単に「内田茂氏との対決」を前面に出すことで、この「パフォーマンス」を売りに都民の支持を集めるだけでなく、もう少し実地レベルで、理にかなった方法を模索しながら、なるべくこれ以上の無駄が出ないような解決策を模索していくことも大事なのではと思うよ。
（ちなみに、物流や取引が多様化した今の時代に、「そもそも中央卸売市場自体が必要なのか？」という声も出ているみたいだ。）
なるほどね…とにかく、この築地市場を豊洲に移転する問題、ただ単に延期の決断が「素晴らしいもの」とは限らないということ、そして、かなり複雑な問題を抱えているってことはよく分かったわ。
どっちに転んでも何らかの問題は発生しそうだけど、どちらにしても、なるべく今の現状でデメリットが少ない方法を選択していって欲しいわね。
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