どんなにゅーす?
・2019年9月12日、橋下徹元大阪府知事が、ジャーナリストの岩上保身氏によるリツイートが「名誉棄損にあたる」として起こした訴訟について、大阪地裁・末永雅之裁判長が、岩上氏のリツイートについて「元ツイートに対する賛同する表現行為」としたうえで名誉棄損にあたると認定、岩上氏に33万円を支払うことを命じた。
・今回の判決について様々な反応が上がる中、岩上氏は判決を不服として控訴する方針を示している。
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橋下氏批判の投稿、リツイートは名誉毀損 大阪地裁判決
ツイッターで他人の投稿を転載し、発信する「リツイート」で名誉を傷つけられたとして、元大阪府知事の橋下徹氏がジャーナリストの岩上安身氏に慰謝料など110万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が12日、大阪地裁であった。末永雅之裁判長は名誉毀損(きそん)を認め、岩上氏に33万円の支払いを命じた。
判決によると、岩上氏は2017年10月、府知事在任時の橋下氏の府幹部に対する言動を批判した第三者の投稿をリツイートし、後に削除した。判決は、投稿内容について「真実と認めるに足りる証拠はない」と指摘。今回のリツイートは投稿に賛同する表現行為としたうえで、岩上氏のツイッターのフォロワーは18万人超であることなどをふまえ、橋下氏の社会的評価を低下させたと判断した。
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↓裁判についての詳しい内容はこちら。
橋下徹がリツイートしただけの岩上安身を名誉毀損で見せしめ提訴! 松井府知事の新潟県知事“誤読”提訴に続きスラップ攻撃
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橋下前市長は昨年12月、岩上氏がTwitter上で第三者によるツイートをリツイート(RT)したことで名誉が傷つけられたとして、岩上氏に100万円の損害賠償等を請求する訴えを大阪簡易裁判所に起こした。橋下氏は自身のTwitterで、〈彼がリツイートした内容は「橋下が府の幹部を自殺に追い込んだ」という完全な虚偽事実〉(17年1月22日)などと主張しながら、岩上氏への個人攻撃を連投している。
一方の岩上氏は22日午後、東京の自由報道協会で会見を開いた。岩上氏によれば、橋下氏が損害賠償を請求しているツイートは昨年10年28日に第三者が投稿したもの。同29日、岩上氏は自身のコメントをまったくつけない形でRTした後、「すぐに削除」したという。ところが、それから約1カ月半後の同年12月15日、突然、岩上氏の元に橋下氏側から訴状が届く。岩上氏は「(訴状まで)橋下さんはまったくこの件に対して、ウンともスンとも言ってこなかった」と言い、実際、提訴前にメールや手紙などの抗議や、内容証明の送付もなかったという。
会見のなかで岩上氏側は、裁判上の理由からRTの中身については「橋下氏の大阪府知事時代の職場環境形成について批判を述べた意見表明」(岩上氏の代理人弁護士)と述べるにとどめたが、同時に、RTは不法行為にあたらず、「仮に表現内容が名誉毀損に当たるとしても、原告が訴えるべきなのは元の投稿者であり、RTしただけの被告に名誉毀損は成立しない」などと主張。橋下氏側の提訴は「訴権の濫用」だと反論した。また、裁判ではRT内容の真実性ないしは真実相当性を主張立証する予定としている。
たしかに、ネット上での発言内容が裁判沙汰になることは珍しくない。だが、今回の橋下氏の提訴には、常識的に考えても異様な点があまりにも多すぎる。岩上氏も会見のなかで、こう強く疑義を呈した。
「(私が)リツイートを消している状態から、内容証明というものすら送ってこないで、いきなり訴状を突きつける。これは常軌を逸しているとしか言いようがないと思います。ようするに“沈黙”のなかで行われたんですね。私は、これがもし判決が(原告勝訴で)確定するようなことがあったら、大変な社会的影響があるのではないかと思います」
批判をリツイートしただけの岩上安身氏を名誉毀損で“見せしめ”提訴
RT内容が名誉毀損に当たるかは司法の判断に委ねられるにせよ、岩上氏が言うことはもっともだろう。だいたい、すぐに削除したという岩上氏のRT内容を橋下氏が問題視したというのなら、1カ月以上も抗議ひとつしないのは明らかにおかしい。それでいて、いきなり訴訟を起こすのはどう考えても名誉回復が目的とは思えない。
そもそも一般論として、RTは他者の発言を紹介はしても、必ずしもそれに同意を示していることにはならないというのが常識的理解だろう。そのうえで言うが、もしも単にRTという行為に対してただちに名誉毀損が成立するならば、同じRTをした複数のアカウントのなかから恣意的に選び、気に食わない人物だけを狙って訴えるということが可能になってしまう。
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本日、大阪地裁にて、橋下徹氏に提訴されていた削除済みリツィートの名誉毀損損害賠償請求事件について、一審判決が言い渡されました。判決内容は「本訴被告は、本訴原告に対し、33万円及びこれに対する平成29年10月29日から支払い済みまで年5分の割合による金員を支払え」というものでした。
— 岩上安身 (@iwakamiyasumi) 2019年9月12日
頑張ります。次の高裁も似たような裁判長なのか、もう少しはまともな裁判官にあたるのか、この程度が続くのか。それによって、明暗が分かれますね。裁判はさいばんかんしだいだということが、今回、よーくわかりました。 https://t.co/cDXxAMvz3m
— 岩上安身 (@iwakamiyasumi) 2019年9月14日
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ネット上では、末永裁判長による「リツイートは元ツイートの賛同行為」と認定したことに対する批判・危機感の声も
出典:Wikipedia
「恫喝訴訟」との声も上がっていた、橋下さんが岩上さんに対して起こした「リツイート裁判」だけど、なんと、大方の予想に反して、橋下さんが勝訴(岩上さんに33万円の支払い命令)という判決が出たわ。
ネット上でもこの判決に驚きの声が上がっているけど、末永裁判長による「リツイートは元ツイートの賛同行為」との判断に対して、この先ますます「表現の自由」が脅かされていく危機感を唱える声も上がっている状況だわ。
ボクもこの判決には少し驚いたし、本人が何のコメントもつけていない状態でのリツイートですら「元ツイートの賛同行為」と決めつけるのは、さすがに極端すぎなのではないかな?
今回のようなケースで言えば、まずは発信者に対して削除要請や抗議を行ない、それでも要求に応じなかった場合に訴訟の手続きを行なうのが、一般的かつ道義的な順序というものだけど、岩上氏はほどなくしてリツイートを削除した上に、橋下氏から何の抗議も要求もなかった中で、いきなり訴状が届いたという話みたいだからね。
これは、裁判に関する知識に加えて、権力や財力を持っていないと出来ないような芸当だし、いわば、岩上氏が橋下氏の”術中”にはまってしまったような形になっているように感じる。
それに、(リテラでも述べられているけど)こうした芸当での訴訟がまかり通るようになってしまえば、それこそ、権力者が恣意的に一般市民を標的に次々訴訟を起こしていくことで、思い通りに言論環境をコントロールするようなことも可能になってしまう恐れもあるだろう。
(橋下氏は、弱い立場にある”一般人”を装っているけど、実際には、安倍総理とも太いパイプを持つ混じりっけなしの権力者であり、現在でも隠然と当時の権力を維持しながら、日本の政財界に強い影響力をもたらしている”事実上の公人”とみるべきだろう)
ちなみに、橋下さんは、ジャパンハンドリングの総本山と言われているCSISで講演を行なったことがあるくらいにグローバリストとの関係が深い(そもそも維新そのものがグローバル資本勢力の下部組織=自民党の補完政党)けど、こうした元々の「特権」も今回の判決に影響している(裁判長が橋下さんに忖度した)可能性も拭えないんじゃないかしら。
一方で、岩上氏は、自民党とCSISとの癒着を追及したり、水道民営化や種子法廃止やTPPなどに危機感を唱える記事を配信したり、グローバルカルトの統一教会について詳しく紹介したりなど、一般市民に寄り添いつつ、タブーにも積極的に踏み込んだ(反グローバリズム的な)ジャーナリズム活動を行なってきたからね。
そういう意味では、今回の裁判は、「グローバリストの橋下氏と市民派の岩上氏との対決」といった構図もあったわけで、改めて、この国において「グローバリストが特権的な権力を保証されている”内情”を映し出した判決」という見立ても出来るかもしれないね。
もっとざっくり言うと、橋下さんが岩上さんに「上級国民」ぶりを見せつけた判決ともいえるかもしれないわね。
とにかくも、現代日本の社会構造は、明治維新の当時とほとんど変わっていないし、それまで日本で冷遇されてきた、薩長のテロリスト一族やそれらにくみするような勢力が、欧米のグローバリストの後ろ盾によって半ば「法を超えたような権力」を持ち続けているのが、この国の根底にある「エセ民主主義システム」の実態だわ。
近年、ますますそうした傾向が強まってきている感じがあるからね。
岩上氏は、今後控訴して徹底的に戦っていく方針みたいだし、この先の裁判がどのような判決が出されるのかについて、見守っていくとしよう。
そうね。
私たち一般市民にとっても、この先の裁判がいい結果になることを願っているわ。
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