今回は、クラシック音楽の中でも人気の高い、ロマン派時代のロシアの作曲家、チャイコフスキーの作った「大序曲1812年」を紹介しようと思います!
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ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー(1840-1893・ロシア)
卓越したオーケストレーションと、独特で唯一無二ともいえる印象的なメロディーを多数残し、現在でも世界中で多くのファンに深く愛されている。
音楽表現はドラマチックかつ、ロマン的・感傷的。本人も繊細な心を持ち、自らも動物や孤児、同性愛者など、社会的に弱い立場のものたちに深い愛情を注いだという。
室内楽から歌曲・歌劇・バレエ音楽・協奏曲・交響曲まで、実に多岐のジャンルに渡って傑作を残したが、中でも、バレエ音楽「白鳥の湖」、ヴァイオリン協奏曲、ピアノ協奏曲第1番、交響曲第6番「悲愴」などが愛聴されている。
チャイコフスキーなら、わたしも名前も聞いたことあるわ!白鳥の湖とか、とってもキレイな曲よね!
おお!あおいちゃんも知っているか。チャイコフスキーは本人も辛い経験を多くしたせいか、感傷的で激情的な作品が多いけど、その一方で、壮大で聴いていて心の底から満たされるような曲も多く書いたよ。
その、壮大で聴いていて気持ち良くなる曲が、この1812年なんですね!
その通り!この曲はあの「のだめカンタービレ」のドラマでも多く使われたから、クラシックファンならずとも知っている人も多くいるんじゃないかな?
この曲の何といっても最大の特徴は、楽器として本物の大砲が使われているってことだ!
ええ!?大砲って、あの大砲!?
ああ!一番曲が盛り上がるクライマックスのところで、ドカンドカーンと重低音の大砲が炸裂するところなんか、最高に興奮しちゃうよ!(もっとも、実際の演奏会じゃ、ホールなんかじゃ本物の大砲なんて使えないから、効果音のCDを流したり大太鼓で代用したりするけどね。)
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フランスとロシアの戦いをスペクタクルな音楽表現で見事に再現
曲のタイトルになっている1812年とは、ナポレオン率いる当時のフランスがロシアに侵攻した年だ。
結局フランスはロシアに負けてロシアから撤退していくんだけど、この時のフランスとロシアの激しい戦いと、ナポレオンのフランスを敗北させたロシア人の喜びを音楽で表現しているんだ。
それはそうと、実はこの曲を作るに当たって、当初チャイコフスキーは全く乗り気じゃなかったみたいなんだよね。
はい!チャイコフスキーが当時お世話になっていた楽譜出版社から企画の依頼を受けたんですけど、本人は「安っぽい曲になるのは目に見えている」との理由で、この仕事を後回しにしたり、作曲した時も、惰性であまりやる気が無い状態で作ったみたいですね。
ええ?今でさえもすごい人気の曲なのに、チャイコフスキーはこの曲をいい加減な気持ちで作曲したんだぁ。
ちょうどその時期は、チャイコフスキーにとって作曲のモチベーションが下がっていた時期だったこともあるんだけど、「ただ騒がしいだけの曲になるのは目に見えている」とかで、曲を作った後も全く成功する気分ではなかったらしい。でも、やってみたら予想外に聴衆に受けたので、その後は本人も結構まんざらでもなかったみたいだね。
曲の中身を見てみると、やはりチャイコフスキーの卓越したアイディアと天才ぶりがよく現れている。
例えば、ロシア正教会の聖歌をベースにしたメロディが冒頭から登場するんだけど、これが室内楽風にヴィオラとチェロがソロで静かに厳かに演奏される。
本当に優しく癒されるような雰囲気で、まさかこの後にあのような凄まじい展開が待っているなんて思いもよらない。この辺りの憎い仕掛けも、聴衆を喜ばせる技に長けているチャイコフスキーらしいね。
↓出だしの優しい雰囲気に注目
ほんとね!とってもきれいな曲だわ。
でも、すぐに大きな音にかき消されて、だんだんと戦いの雰囲気になってくる。
しかし、実に緻密なオーケストレーションを駆使し、色々な楽器が複雑な動きをしていて、常に聴いている人を飽きさせない。
やがて、フランス国家の「ラ・マルセイエーズ」のメロディが大胆に登場(上の音源の5:23位~)、これがナポレオン率いるフランス軍を表現しているんだな。
その後もフランス国家の断片が度々登場しつつ、緊張感のある音楽が展開されるんだけど、その中でもロシア民謡を思わす穏やかで優しい部分も登場する。
ひとしきり静まった所で、ついにクライマックスに向けての序奏が始まる(11:30位~)。フランス国家の断片が繰り返しながら、徐々に盛り上がっていき、ついに、金管楽器の咆哮と大砲が登場。
ここからさらに、大クライマックスに突入していくんだけど、ここに至るまでの繋ぎの部分の「タメ」が「ここまでやるか!?」というほどに実にくどすぎる!まさにミリオネアのみのもんたもビックリの最強のタメ具合だ!(12:16位~)
そしてついに、鐘や離れた所に控えた金管群(バンダ)も加わり、冒頭に登場した、あの穏やかで優しい正教会の旋律がまさかの大賑わいで登場!(12:53位~)
ここから最後までは文字通りの音楽史に残る凄まじい音楽。
テンポを上げた後に、今度はロシア国家が大砲とともに登場!(14:08位~)フランス国家以上にど迫力の登場で、これにフランス軍がしっぽを巻いて撤退していくわけだ。
最後はこれ以上ないほどの盛り上がりで、ロシア人たちの喜びが表現されて全曲を閉じる。
これほどにテンションが上がる曲を他にボクはしらないなあ。それくらいに凄まじい曲だ。
こ、これは確かにすごすぎる曲だわ!出だしの雰囲気からまさかこんな展開になるなんてっ!
愛好家の間では、CDに収録された大砲の音を聴き比べるなんて、ユニークな楽しみ方もあるみたいだぞ。
上の音源の大砲もなかなかいい感じだけど、ボクのおススメはユーリ・シモノフ&ロイヤルフィルによる演奏のものだ。
とにかく、大砲が暴発してミサイルまで飛んできてるような音が入っていて、最高に笑える内容になっているよ!
↓ユーリ・シモノフ&ロイヤルフィルの伝説の爆演!
えええ!?これはちょっとやり過ぎじゃない!?もはやナポレオンの時代じゃなくなっちゃってるわよ!
シャルル・デュトワ&モントリオール響のシンセサイザーが登場する版も、突っ込みどころ満載で笑えるけど、とにかく、笑いと興奮をもたらしてくれるのが、この曲の一番の持ち味だね!クラシック音楽にあまり馴染みが無い人も楽しめる曲だと思うので、興味があったら是非とも聴いてみてね!
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