卒業後に奨学金が給料だけで返済できない”異常事態”
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どうする「奨学金地獄」 自己破産が急増中
奨学金は、経済的に余裕がない学生が学費をまかなうために借りるものだが、現在奨学金利用者の自己破産が大きな社会問題になっている。
社民党の福島みずほ副党首は、今年3月の参議院予算委員会で「かつて奨学金は無利子だった。それがいまになって有利子が増え、これは社会人になるときに多額の借金になっている。極めて大きな問題ではなかろうか。」と、この社会問題の大きさを指摘した。
この記事によると、近年、大学に通うために借りた奨学金が卒業後に返せなくなってしまうケースが急増しているとのことだ。
その規模は、2011年時点で滞納者がおよそ33万人、滞納額は876億円にも達しているというのだから驚きだ。
これはもはや、完全なる”異常事態”であり、日本の奨学金制度自体がすでに破綻しかかっているといえるのではないだろうか。
奨学金の滞納者が増えているという話は聞いていましたが、まさかここまでとは…。
元々、日本における奨学金制度は、卒業後に就職し、給料を毎月もらえることで長きに渡って返済することを想定していましたが、それがなんと、仕事をしていても返済に苦しんで滞納してしまう人も多いのだとか…。
そもそも返済の義務があるどころか、利子すらもある時点で、これは実質「ローン」と同じものなんだけど、それでも今までは社会人になった後、滞りなく完済できる人が多かった。
ところが、現在は失業者だけでなく、就業者でも返済できない人が増えているという。
これはまさに、安倍政権や竹中平蔵氏が推し進めてきた非正規雇用の増大のお陰で、給与が少ない人が急増しているのが原因だといえ、当時奨学金で大学に通っていた人たちも、実際に社会人になってから、「思っていた世界と全く違っていた」と、当時の想定から大きく狂ってしまっている人が多い、ということも考えられるだろう。
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世界的に見ても異常なまでに”冷血”な日本の教育制度
欧米の先進国を見てみると、そもそも大学の学費もとても安く、奨学金も無利子なのは当たり前として、返済も半額程度で良いものや、返済不要の奨学金だって多く存在する。
こういう海外の現状と比べると、日本の場合、勉強をしたい若者に対して、異常なまでにまるで血が通っていないのが現状だ。
これは、海外が「優秀な人材は資産であり、人材育成にどんどん優先的にお金を使うべき」という考え方をしているの対して、日本は全くこのような考えを持っていないということの表れでもあり、いかに日本という国が自国民を冷たく突き放して、「単なる税金を吸い上げるための存在」程度にしか考えていないのかということが、この例を見てもよく分かるね。
全くそうですよね…。
おまけに普通のローン同様に滞納に至ってしまった人に対しては、容赦なくブラックリストに入れられてしまって、取立てや差し押さえや債務整理、自己破産までも行なう必要に迫られてしまうなんて…。
これでは、「お金のないやつは大学に行くな」と言っているのと同じだね。
そもそも、国民が貧困化に進んでいるのも国の責任が大きいんだし、国の失政で国民の賃金が一向に上がらないせいで、大学に行くのもままならない若者が増えているんだ。
これを「親の稼ぎが少ないんだから諦めろ」と言っている時点で、いかに国が「横暴な考え」の元に国民に冷たく当たっているのかをみんなも認識したほうが良いように思うね。
(「借りた金を返さないヤツが悪い」なんていう声も多いけど、これはそんな単純な問題じゃないと思うぞ。)
この状況を逆手にとって、「経済的徴兵制度」を導入していく可能性も?
こうなってしまうと、ボクの場合、日本でも「経済的徴兵制度」がスタートしてしまうのではないかといささか心配になってきてしまう。
「経済的徴兵制度」とは、このページで詳しく紹介したけど、「お金がなくて大学にいけない人」や「奨学金の返済が厳しくなってしまった人」などを対象に、自衛隊(軍隊)に一定期間入隊することで、学費や奨学金の返済を免除するというシステムのことだ。
これは、すでにアメリカで導入されており、アメリカにおける徴兵制が廃止されて以降、軍に入隊する人が減少している事態をこの制度でカバーしているという現状がある。
※【米国で進む経済徴兵制】戦費調達のために「貧困」創出か ~堤未果氏が指摘「米国では学費肩代わりの入隊急増」
つまり、成績が優秀な人は返済不要の奨学金を受け取ることが出来るものの、そうではない貧困層は、軍隊に入隊することで学費を免除してもらうというのが、現在アメリカで行なわれているものだ。
実は、こうした経済的徴兵制は、実際に安倍政権でも水面下でかなり検討され始めてきているようだ。
防衛省 “経済的徴兵制”を検討 自衛隊入隊前提に奨学金
少子高学歴化や安保法制=戦争法の強行の影響で自衛官の応募者数が減少傾向にある中、防衛省が「ROTC(予備役将校訓練課程)」と呼ばれる米軍の制度を参考に、自衛隊入隊を前提にした奨学金などが目玉の新たな募集制度を検討していることが、本紙が情報公開請求で入手した内部文書で判明しました。高学費に苦しむ学生を狙い撃ちにした“経済的徴兵制”といえるものです。
こういう話を聞く限り、現状の奨学金返済に苦しむ人が出ている現状を上手く”利用”して、今後の集団的自衛権の本格スタートに伴い、さらに減少すると思われる自衛隊員を”こういうシステム”を導入することでカバーしようとしているように、ボクには見えてきてしまうんだな。
た、確かに、これらの流れを考えると、経済的徴兵制度を日本に導入することになることも、十分考えられますよね。
こういう風に考えると、安倍政権はもしかしたら、ますます奨学金の返済に苦しむ人が増えていくことは、ある意味では「狙い通り」ということなのかもしれない。
なんだか、選挙前には「返済不要の奨学金も検討する」なんて言っていた気がするけど、あんまりやる気を持って進めようとしているようには見えないし、とにかく、こうした流れはボクたちはある程度警戒しておいたほうがいいかと思う。
どちらにしても、奨学金の返済が出来ない人が急増していること、そして、奨学金すらも普通のローンと同じく、返済に行き詰ると「取立て」「ブラックリスト」「差し押さえ」「自己破産」などの手続きを容赦なく踏まれる、この日本の”異常さ”をもっとみんなが認識して欲しいと思うよ。
閉鎖された日本にずっと住んでいれば、こうした感覚もついつい麻痺しがちになってしまいますが、時にはもっと広い視野で世界の文化や現状を見回してみるのも、より感覚を研ぎ澄まさせる上ではいいかもしれませんね。
私も、この先の日本の教育制度の行く末や経済的徴兵制などについて、気をつけてみていこうと思います!
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