自民党の憲法改正案や現行憲法との違いがよく分からない人のために、要点だけをざっくり紹介!
|
|
こんにちは、ゆるねとにゅーす管理人です。
今回の参院選で与党が勝利し、いよいよ憲法改正が現実味を帯びてきたので、これを機に改めて、安倍政権がいよいよ手をつけようとしている「憲法改正」の中身について、なるべく分かりやすく、なおかつざっくりと、ボクが特に気になった問題点を列挙していこうかと思うよ。
あはっ!これは助かるわ!
私も安倍政権が憲法改正をしようとしていること、それなのに選挙の演説とかで全く憲法改正について触れようともしなかったってこと、そして、その改正案の中身に色々な問題が多いって話はちらほら聞くけど・・・
実際に「どういう風に問題なのか?」ってことがちょっと分かりづらい感じがしていたのよね。
おおう!これはにゃこも見てみたいにゃあ!
安倍総理とかメディアも憲法改正について全然詳しく教えてくれないから、にゃこも気になっていたんだにゃ!
たぶん、そういう人も多いかと思って、この記事では、実際の草案と現行憲法の文章を比較しながら、安倍政権が日本をどのように変えようとしているのかについて、以下に綴っていこうと思っている。
それじゃ、早速ボクがピックアップした部分を見てもらおう!
(参照元:自民党公式HP-憲法改正推進本部-日本国憲法改正草案全文)
|
|
自民党憲法草案の気になる点その1…憲法前文に注目、現行憲法と全然違う!
ボクが真っ先に目に付いて気になったのは、憲法の前文(いわゆる前書き)が現行のものと全然違っていることだ。
下の現行憲法のものと安倍政権の草案との比較を見てもらいたい。(上の欄の太字部分が自民党の改正案で、下の欄が現行憲法の文章だ。)
ほんとだ!何から何まで全然違う!
憲法の前文は、いわば「これは一体どういう趣旨の憲法なのか?」ということを明示する部分に当たるから、これだけ見ても、自民党はかつての憲法から大幅に趣旨を変えるものを作ろうとしていることが分かるかと思う。
ざっと見てもらうと分かるけど、現行憲法では、主に人類の平和や戦争の否定、世界との友好などに重きに置いている内容になっているけど、自民党の草案では、「天皇を頂点に置く」ことや「日本の郷土を愛し、日本人であることに誇りを持つ」などといった、世界的な平和主義の観点よりも「日本を尊び、国を愛する愛国心」に重きを置く内容に変わっていることが分かるかと思う。
この二つを比較すると、今までのニュートラルで自由な現行憲法に比べて、民族主義やナショナリズムを日本により根付かせていこうとする自民党の意図が透けて見えてくるだろう。
|
|
自民党憲法草案の気になる点その2…「国民は国旗と君が代を尊重しなければならない」と明記
天皇について記されている第3条において、自民党草案では「国民は国旗と君が代を尊重しなければならない」と記されている。
現行憲法では、国旗や君が代に関する記述は全く出ていないんだけど、これを自民党は明確に定めるようにしている。
これを見ても、憲法前文と同じく、国民が愛国心を持たなければならないことを憲法に定めた上で、今後は「国民は国を敬い、国家に尽くしていかなければならい」といった方向に安倍政権が導こうとしていることが分かるね。
むむ・・・なんか、すでにヤバそうな雰囲気になってるわね。
今までは国を愛するのも愛さないのも個人の自由だったのが、これからは全国民が国を愛して、(宗教のように)国を信じなさい・・・ってことよね。
そうだね。この先にも気になる部分が結構出てくるので、一気に進めていこうと思うよ。
自民党憲法草案の気になる点その3…国防軍の創設
今までは「自衛隊」という形で日本の防衛を担ってきたわけだけど、安倍政権はこれを変えて、憲法9条において「国防軍」という形で明確に軍隊を設置することを憲法草案に盛り込んでいる。
ええ!?国防軍!?
これだって、安倍政権はそんなこと一言も言ってないけど、これだって結構デカいことなんじゃないのぉ?
国防軍って…普通の日本人からすれば、結構刺激的な響きだにゃ!
今までは自衛隊という形で、他国の軍隊とはちょっと異なる扱いを受けてきたけれど、これが正式な軍隊として憲法で定められれば、いよいよ世界の軍隊と同様に、今の自衛隊も戦争の参加の可能性や生命の危険が本格的に高まってくるということになるね。
自民党憲法草案の気になる点その4…国民の自由や権利に関する部分において制限が盛り込まれる
国民の表現の自由などを定めている12条において、現行憲法では「国民は自由や権利を公共の福祉のために行使することが出来る」としているのに対して、自民党の草案では、「国民は自由や権利を行使することは出来るが、公益および公の秩序を乱す場合にはこれを行使してはならない」と受け取れるような内容に書き換えられている。
この「”公益および公の秩序”を乱す行為」というのは一体何なのか?
全体の草案の内容から察するに、「国家の利益に反する行為」、つまりは「国(安倍政権)にとって都合が悪い表現活動を行なったり、それに関する権利は行使してはならない」とも受け取れるのが、非常に気になるところだ。
また、その後に続く、13条の「すべて国民は”個人”として尊重される」の部分が「”人”として尊重される」に変わっているのも気になる。
これも、「個人の自由」よりも「全体主義」に重きを置いて国を変えていこうとしている、安倍政権の意図を感じるね。
自民党憲法草案の気になる点その5…政教分離(政治と宗教を切り分ける)を緩和している
現行憲法では「宗教が政治に関わってはならない」ことが定められているんだけど、これを安倍政権は緩和させようとしているようだ。
事実、今の与党は創価学会の公明党と連立政権である上に、自民党も(特に安倍政権は)統一教会や生長の家、神社本庁などの数多くの新興宗教団体が深く関わっている。
このように、現状でも政教分離の原則は完全に侵されていて、実質憲法違反といえる状態だったけど、これを緩和することで、国家や政治が宗教に関わることを憲法で認めるようにしようとしているみたいだ。
↓89条でも、宗教組織に公金を使うことを条件付きで認めるように書き換えている。
んなっ!?
せっかく憲法が怪しげな宗教が政治に入り込むのを禁止してくれているのに、これを緩和しようとしているなんて…これはちょっと問題じゃない!?
やっぱり安倍政権自身が、怪しげな宗教の支援を受けているからだとしか思えないんだけど…!
そもそも、この憲法改正を積極的に進めている日本会議自体が、バリバリ怪しげな宗教が参加している団体だからね。
これは、安倍政権に憲法改正をやらせちゃうと、ますます変な宗教団体が政治に入り込んできて、日本自体がカルト宗教みたいな国家になる可能性もあるような気もするよ。
自民党憲法草案の気になる点その6…総理大臣に権限を一極集中させる「緊急事態条項」を盛り込んでいる
色々な問題点が散見される中でも、外すことができないのは、98条に新たに作られた、「緊急事態条項」だといえるだろう。
以前の記事でも書いたけど、これは、総理が緊急事態であると宣言したと同時に、内閣に権限を一極集中させるもので、その緊急事態と判断する際の定義があいまいとなっている上に、国内での内乱の際においてでも、緊急事態を宣言することができるとなっている。
よく「諸外国の法律でも似たような制度がある」という声もあるけど、自民党の草案では、内閣が暴走しないための歯止めが弱すぎで、もっと細かく緊急事態の定義を決める必要や、内閣の暴走を監視するための第3者機関の設置などを求めている声が多いのが現状だ。
これは私も昔ここで勉強して、なんとなく覚えているわ!
ここだけでも、民主主義の根幹も揺るがしかねないような内容になっているのよね。
これを盛り込んだ当初に様々な指摘や批判を受けて、少しは和らいだ内容に変えられたみたいだけど、それでも、緊急事態の解釈が総理のさじ加減による部分が大きいのと、総理に権限を集中させる内容は変わっていないので、問題が多い項目であることは間違いないと思うよ。
自民党憲法草案の気になる点その7…基本的人権について書かれている部分が丸々削除される
(2016.10.1.追記)
これも非常に気になる部分だけど、現行憲法では「侵すことの出来ない永久の権利」として、97条で”基本的人権”を保障する旨の文章が書かれているんだけど、驚くべきことに、自民党の草案では、これが丸々削除されている。
これでは、安倍政権は、国民が「人として当たり前の尊厳や自由などのあらゆる権利」を持つことを暗に否定し、これらを日本国民から奪い取っていこうとしているように思われても仕方ないと思うんだけど、これは一体どういうことなんだろうか?
(野党側もこの点を国会で質問しているけど、安倍総理ものらりくらりと話を逸らすだけで、しっかりと説明もしようともしていないのが現状だ。)
自民党憲法草案の気になる点その8…国民に憲法を遵守させる項目が追加される
最後に、ボクが挙げておこうと思うのは、「憲法尊重擁護義務」なるものが付け加えられていて、「全て国民はこの憲法を尊重しなければならない」と書かれていることだ。
もちろんボクたちが憲法を大切にすることはなんらおかしなことではないけど、これをあえて付け加えたということは、言い換えれば「安倍政権が定めた新しい憲法を遵守せよ」ということにもなる。
そもそも憲法というのは、「国民の自由や民主主義を守るために権力を縛るためのもの」なのであり、これを加えてしまうことで、”憲法の本質”が大きく変わってしまう恐れもあるだろう。
したがって、今まで挙げてきた自民党の改憲草案の内容について、「もしこんな内容に書き換えられたらイヤだな」って思ったのなら、国民投票などで反対票を投じるべきだと思うし、普段から積極的にネットなどでも憲法改正に反対の姿勢を表明していくべきだとボクは思うよ。
↓憲法改正に携わっているメンバー一覧。この人たちによって、ボクたちの日本は大きく変えられようとしているってことだ。
まとめ
以上、なるべく分かりやすく自民党の憲法改正の草案についての問題点について紹介してきたつもりだったけど、どうだったかな?
やっぱり、なんだか不安で危なっかしい部分がいっぱいあるような感じだったにゃあ!
安倍政権の自民党はやっぱ危険で怖いにゃあ!
わたしも、政治と宗教の関わりを緩和させる部分とか、色々とヤバそうな部分があるような印象だったわ。
それと同時に、なんか今の憲法って、思ったよりも現代の風潮にも合っている内容のようにも感じたわ。
現行憲法が優れているところは、国民の自由や権利を最大限に保障しているところと、政治に宗教が入り込んでくるのを固く禁止しているところ、そして個人の人権を尊重してくれていることに加えて、国民一人一人に最も重きを置いて、政治や権力が暴走しないようにきちんと縛っているところだと思う。
ボクは、自民党の改憲草案は、そうした現行憲法の良かったところを退化させた上で、権力がより国民に対して自在に実力行使できるように書き換えているような印象を持ったし、こんな人たちに今の日本がどんどん作り変えられていく現状に強い不安を感じているよ。
・・・
この記事を読んでくれたみんなは、このような自民党の改憲草案にどんな印象を持ったかな?
ついに参議院でも改憲勢力が3分の2議席を獲得したことで、安倍政権はいよいよ本気で憲法改正に向けて動き出すだろう。
なので、なるべく多くの日本国民が、改めてこのような自民党の改憲草案を大まかに理解した上で、自由な感想や素直な意見を発していったり、憲法改正の是非を問う国民投票などに備えてほしいと思うよ。
お陰で、私にも安倍政権が日本をどんな国に作り変えようとしているのかがよく分かったわ!
たぶん、メディアでもこの先少しは憲法改正の報道が増えていくとは思うけど…一体この国はどんな風に進んでいくのか、国民は憲法改正についてどのような判断を下していくのか、固唾を呑んで見守ろうと思うわ。
にゃこもこの先の日本が一体どんなことになってしまうのか、ドキドキだにゃあ。
どうか日本が今以上に息苦しい国にならないように、ひたすら祈るのみだにゃ!
この記事が「良かった」「共感した」「参考になった」「役に立った」と思ったら、カンパ(ご支援)いただけますと嬉しいです!
●(new)クリエイター支援サイト「Ci-en」を通じた支援(クレジット・銀行振込・電子マネー等多くの支払い方法に対応)
100円~50,000円まで、自由に金額を設定しチップを贈ることが出来ます。(Ci-enを通じた詳しい支援の仕方はこちら)
↓「Ci-en」を通じた当サイトへのご支援はこちらから↓
●「note」を通じての支援(ゆるねとにゅーすイメージソングの購入…価格500円・税込・クレジットまたはモバイル決済)
楽曲の購入とは別に、クリエイターサポート機能を利用することで、100円~10万円までご支援いただけます。
楽曲を購入せずに、サポートのみ(100円~10万円)を行なうことも可能です。
(サポート機能について詳しくはこちら)
●月額ウェブマガジン「ゆるねとパートナーズ」のご購読(クレジット決済または銀行自動引き落とし)
およそ3日に一度配信(月10回)されるウェブマガジン「ゆるねと通信」や、管理人やキャラクターによる動画配信、不定期配信の会員限定記事などをお届けいたします。
金額は月500円~ご自由にお選びいただけます。
決済方法は、PayPalによるクレジット決済または銀行の自動引き落としです。
詳しくは「ゆるねとパートナーズ」のウェブサイトをご覧くださいませ。
|
|